きもの辞典

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あ行

・後染め[あとぞめ]
染織用語で、織りあがった白生地に、後から染加工して柄付けをすること。主に、染めの着物に多く見られる。⇔先染め[さきぞめ]

・洗い張り[あらいはり]
  
 着物を解いて水に通して洗うことをいう。昔は、家で洗い張りをされていたが、現在は、悉皆屋しっかいやと呼ばれる専門店で洗い張りを依頼するようになった。

・袷[あわせ]
着物の仕立て方の名称。裏をつけて縫い合わせた着物をいう。⇔単衣[ひとえ] 
着物の場合、裏には胴裏どううら(上裏かみうらともいう)と、八掛はっかけ(裾まわしともいう)をつける。一般に袷というと、長着を指すが、羽織や長襦袢、帯にも用いられる。10〜5月に着用する。

・アンサンブル
フランス語で「集合」という意味がある。同じ布地で『着物と羽織』というように、着物と合わせたセットをいう。昭和33年ごろ、ウール地のアンサンブルが流行したことから、始まったとされる。

・居敷当て[いしきあて]
単衣着物や襦袢ののお尻の位置に、縫い目のほころびを防ぐためなどの補強に、裏から縫いつける当て布のこと。共布やさらし、胴裏を用いる。

・色留袖[いろとめそで]

黒地以外の裾模様の着物で、五つ紋、三つ紋、一つ紋などの、家紋が入り、比翼が付いているものをいう。

・色無地[いろむじ]

黒以外の一色無地染めの着物をいう。

・薄物[うすもの]
絽や紗のように透ける布地の総称。7、8月に着用する。

・上前[うわまえ]
着物の部分名称。着物を着て前を合わせたときに上になる部分、つまり、左前身頃を指す。⇔下前[したまえ]

・絵羽織[えばおり]
女物の羽織のひとつで、羽織の絵羽模様になっているものをいう。

・絵羽模様[えばもよう]
絵羽ともいい、着物の模様付けの一つ。仕立てた時に縫い目で模様がつながるように描かれている。白生地の状態で裁ち、仮縫い(仮絵羽、絵羽縫いともいう)をし、下絵を書く。下絵を描いてから仮縫いを解き、染め・刺繍などの加工をほどこす。振袖、留袖、訪問着の多くがこれに該当する。

・衣紋[えもん]

本来は装束や着物を着付けることを指していたが、現在は、首の後ろで例を抜く部分のことを指す。『衣紋を抜く』といった表現をする。

・衣紋掛け[えもんかけ]

和装用のハンガー。

・衿裏[えりうら]
着物の部分名称。広衿の裏側に縫い合わせた衿。裏衿ともいう。

・衿肩明き[えりかたあき]

長着、羽織、襦袢など、肩回りに衿をつけるために切り開けたところを指す。

・衿先[えりさき]

着物の部分名称。衿の下端の部分を指す。

・衿先布[えりさきぬの]
袷長着の衿裏の衿先につける布のことを指す。八掛と共布を用いる。

・衿下[えりした]

着物の部分名称。『褄下つました竪褄たてづま』ともいう。着物の衿先から、褄先までの間を指す。

・大振袖[おおふりそで]
振袖は未婚女性の第一礼装。振袖の中で、最も袖丈の長いものをさす。大振袖の袖丈は、110〜120cm(2尺9寸〜3尺1寸5分)くらいで、着付けてから手を下げると(たもと)の丸みが、足のくるぶしあたりまである。

・衽[おくみ]

着物の部分名称。前身頃に続いている半巾の部分を指す。

・衽下がり[おくみさがり]
長着の衿肩明きから、剣先までの寸法を指す。

・衽先[おくみさき]
着物の部分名称。衽の上端で、衿と身頃と衽の3点が交わっている部分を指す。『剣先けんさき』ともいう。

・お太鼓[おたいこ]
女性の帯の結び方の一つ。丸帯や袋帯では、二重太鼓、名古屋帯では一重太鼓になり、現在最も広く用いられている帯結び。

・お太鼓柄[おたいこがら]
帯の模様付けの一つ。お太鼓の部分と、前の胴部分だけにつけた模様。

・お端折り[おはしょり]
着物の部分名称。女性が着るとき、身丈より長い部分を腰でたくし上げ、紐で締めて着るが、そのたくし上げた部分を指す。

・帯揚げ[おびあげ]
着付け用小物の一つ。帯枕の上にかぶせ、前で帯の上端に飾る布のこと。

・帯板[おびいた]
着物の着付け小物の一つ。帯を締めるときに胴回りにしわが出来ないように胴前に入れる板のこと。前板ともいう。振袖のような変わり結びをするときは、後ろ帯板を入れる。

・お引摺り[おひきずり]
着物の着方の一つ。おはしょりをしないで、裾を引きずる着方をいう。現在は、芸者や花嫁姿に見られる。
ほかに、だらしがない女の人に対しての呼び方としても用いられる。

・帯締め[おびじめ]
着付け用小物の一つ。女性が、帯がほどけないように帯の真ん中あたりに最後に締める紐。

・帯留[おびどめ]
装飾小物の一つ。本来は帯締めの両端につけた金具のことだったが、平打ちの帯締めに、装飾的な飾り物を通して用いている。素材によって、正装用と普段用に分けられる。

・帯枕[おびまくら]
着付け用小物の一つ。帯を結び、お太鼓など、形を整えるための道具として用いられる。

・織帯[おりおび]
先染めの糸を用いて織った帯を指す。留袖、振袖、訪問着などの礼装用の格調高い帯のほか、おしゃれ着、街着などの普段使いのものまで幅広くある。⇔染帯[そめおび]

・織りの着物[おりのきもの]
先染めの着物の総称。糸の状態で染めてから、反物に織り上げる。御召、紬、紗、木綿、絣、ウールなどで、街着や普段着として用いられる。どんなに高価なものであっても、礼装用になることはない。⇔染めの着物


か行

・掛衿[かけえり]
着物の部分名称。長着、半纏(はんてん)丹前(たんぜん)夜具(やぐ)などの衿の汚れを防ぐためにあらかじめ地衿の上にかける衿のこと。『共衿』ともいう。

・重ね衿[かさねえり]
着物の2枚重ねを略して、衿の部分だけ重ねることによって、あたかも2枚着ているように見せるための衿のことをいう。着物姿に格調の高さや、華やかさを出すために用いる。『伊達衿』ともいう。

・着尺[きじゃく]
着物一枚を仕立てるため長さのある反物のこと。長さ約12.5m、幅約37cmを一反として織り上げたもの。

・被[きせ]
仕立てに用いる技法のひとつ。縫い目が表に見えたり、はだけたりする事を防ぐためのもの。2o(5厘)以下のきせが理想とされ、『きせをかける』と表現する。

・着丈[きたけ]
仕立てた寸法が『身丈』に対し、着付けたときの寸法のこと。

・繰越し[くりこし]
衣紋を抜いて着るために、肩山を衿肩明きより後身頃へずらした差の寸法、あるいは、その部分を指す。女物のみ。

・黒留袖[くろとめそで]
地色が黒地の留袖。既婚女性の第一礼装。江戸褄ともいい、五つ紋で裾模様。
留袖を着用する際は、白の半襟・長襦袢、白羽二重の下着(現在は付け比翼が多く用いられる)、金・銀・白地の袋帯に、白の帯締め、帯揚げを使用し、左胸元には末広(黒骨で金銀地紙の扇子)を添える。

・黒共帯[くろともおび]
帯の一つで、喪服用の帯。現在は名古屋帯が主流になっている。

・剣先[けんさき]
着物の部分名称。衽の上端で、衿と身頃と衽の3点が交わっている部分を指す。『衽先』ともいう。

・小振袖[こふりそで]
袖丈が75cm〜85p(2尺〜2尺2寸5分)程度で、着用すると、膝のあたりになります。十三参りで着用されるほか、お茶会や気軽なパーティーに着用するのもいいでしょう。

・小紋[こもん]
文字通り小さい模様を生地いっぱいに型染めしたものをいうが、現在は、型染めの着尺地を総称していう。


さ行

・先染め[さきぞめ]
染織用語で、反物に織り上げる前に、糸を精練、染色してから織り上げること。主に織りの着物に多く見られる。⇔後染め

・下前[したまえ]
着物の部分名称。着物を着て前を合わせたときに下になる部分、つまり、右前身頃を指す。⇔上前[うわまえ]

・末広[すえひろ]
『祝儀扇』ともいう、いわゆる扇子ですが、これは扇ぐためのものではなく、黒留袖、色留袖などフォーマルなものを着用する際には必要な小物で、黒骨で金が正面に向くように、4〜5cmくらい出るように左胸元の帯と帯板の間、あるいは、帯板と帯揚げの間に添えます。

・裾回し[すそまわし]
袷長着の裾・袖口・衿先の裏の部分に合わせる布地のこと。『八掛・裾取り・裾裏』ともいう。表地との調和を考えて選ぶ。

・裾よけ[すそよけ]
和装下着の一つ。長襦袢の下に着用するもので、肌襦袢とあわせて着用する。『蹴出し(けだし)』ともいう。肌に直接触れるものなので、肌触りがよく汗を吸収し、通気性のあるものがよい

・全通[ぜんつう]
帯の柄付けの一つ。帯の端から端まで、切れることなく柄が付けられているものを指す。

・総柄[そうがら]
着物の柄付けの一つ。着物全体が、一枚の絵になるように、模様が描かれたもの。『総絵羽・総模様・総付け』ともいう。

・袖口布[そでくちぬの]
袷の袖口裏側につける布地のこと。長着の場合、八掛と共布、羽織類は、表地と共布を用いる。

・染帯[そめおび]
後染めの帯のことを指す。染め帯の生地には、塩瀬羽二重や縮緬、夏用には、絽や紗が多く用いられる。⇔織帯[おりおび]

・染めの着物[そめのきもの]
後染めの着物の総称。白生地に織り上げてから、染め・刺繍・金箔などの染め加工をほどこしたもの。小紋、無地、訪問着、留袖、振袖などに用いられる。街着から礼装用まで幅広い。⇔織りの着物


た行

・伊達衿[だてえり]
着物の2枚重ねを略して、衿の部分だけ重ねることによって、あたかも2枚着ているように見せるための衿のことをいう。着物姿に格調の高さや、華やかさを出すために用いる。『重ね衿』ともいう。

・伊達締め[だてじめ]
着付け小物の一つ。女性が、長着を着る際、着崩れを防ぐために長襦袢の上、帯板の下に巻くもの。

・足袋[たび]
和装小物の一つ。浴衣以外で履くもの。

・中振袖[ちゅうふりそで]
袖丈が、85p〜105cm(2尺2寸5分〜2尺7寸7分)くらいのもので、着用すると、ふくらはぎの真ん中あたりくらいになります。

・対丈[ついたけ]
長着におはしょりや腰揚げをとらず、着丈と同寸に仕立てたもの。長襦袢や、男物長着などは対丈で仕立てる。

・付け比翼[つけひよく]
留袖などの礼装に多く用いられるし立て方で、下着(下襲ね(したがさね))の衿・裾・袖口・振りを部分的に作り、長着に縫いつけることで2枚重ねてきているように見せた仕立て方。『比翼仕立て』ともいう。

・褄[つま]
着物の部分名称。長着の裾、衽の角の部分を指す。『褄先』ともいう。

・褄下[つました]
着物の部分名称。衿先から褄先までの部分を指す。『衿下・竪褄』ともいう。

・紬[つむぎ]
先染めの織物の代表ともいえる絹織物の一つ。経糸・緯糸ともに真綿から紡いだ糸を用い、居坐機(いざりばた)高機(たかばた)で、織り上げた平織りの織物を指す。非常に手間がかかるもので、高価なものが多いが、素朴で独特の風合いを持っており趣味性が高いため、おしゃれ着や街着などとしてしか着用できない。

・胴裏[どううら]
袷長着の胴の部分にあたる裏の布地を指す。『上裏(かみうら)』ともいう。

・胴抜き[どうぬき]
仕立て方の一つ。一見袷仕立てに見えるが、胴の部分が単衣仕立てになっているもの。長着、長襦袢で用いられる。 

・通し裏[とおしうら]
裏布の裁ち方の一つ。男物の袷長着に用いられる。『総裏』ともいい、肩から裾まで、布を継ぐことなく一枚で仕立てられているもの。花嫁の打掛でも用いられている。

・共衿[ともえり]
着物の部分名称。長着の衿の汚れを防ぐためにあらかじめ地衿の上に表地と同じ布地で掛けた衿のこと。『掛衿』ともいう。


な行

・長着[ながぎ]
いわゆる一般にいう着物をさす。

・長襦袢[ながじゅばん]
裾まである襦袢のこと。長着と肌着の間に着るもの。現在は対丈で仕立てられることが多い。半衿を掛け、長着の裏の汚れ防止、保温の役目のほか、袖口や振りからのぞく長襦袢の色で、着物との調和を楽しむことが出来る。

・名古屋帯[なごやおび]
女帯の一つ。長さ3.2〜3.6mぐらい。お太鼓の部分は約30cm幅、胴部分はお太鼓部分の半幅に仕立てられているものが多い。大正5年ごろ、名古屋で考案されたといわれる。

・名護屋帯[なごやおび]
帯の一つ。絹糸で組まれた組紐の帯。長さ4.5mぐらい。安土・桃山時代に豊臣秀吉の朝鮮出兵によってもたらされ、江戸時代初期にかけて、小袖の発達とともに流行した。

・二重太鼓[にじゅうだいこ]
女帯の結び方の一つ。丸帯や袋帯を結ぶときに用いる。普通のお太鼓に対し、お太鼓の部分が二重になる結び方で、留袖や訪問着の礼装用から、しゃれ袋で、小紋・紬まで、用いられる。


は行

・羽裏[はうら]
袷羽織の裏に用いる布地のこと。男物の羽裏は『額裏(がくうら)』ともいう。

・羽織[はおり]
着物の上に羽織るもの。

・羽尺[はじゃく]
羽織用に織った反物をさす。長さは約8.5〜9.4m。

・肌襦袢[はだじゅばん]
和装下着の一つ。長襦袢の下に、裾よけ(蹴出し(けだし))とあわせて着用する。肌に直接触れるものなので、肌触りがよく汗を吸収し、通気性のあるものがよい。

・撥衿[ばちえり]
女物長着や長襦袢の衿型の一つ。衿肩回りから、衿先に向かって衿幅が広くなっており、形が三味線のバチに似ているところからつけられた。

・八掛[はっかけ]
袷長着の裾・袖口・衿先の裏の部分に合わせる布地のこと。『裾回し・裾取り・裾裏』ともいう。表地との調和を考えて選ぶ。
八掛の『八』は、前身頃・後身頃・衽・衿先の左右2枚、合計8枚に裁っていたところからつけられたが、現在は、袖口にも用いるため10枚に裁っている。長さは、約3.8m。

・八寸名古屋帯[はっすんなごやおび]
女帯の一つ。幅を8寸(約30cm)に織り上げ、

・半襟[はんえり]
長襦袢の衿につける布地のこと。汚れ防止のほか、装飾の意味もある。

・半襦袢[はんじゅばん]
和装下着の一つ。身頃は肌襦袢、袖・衿は長襦袢のように仕立てられたもの。袖と同じ布地で作った裾よけと合わせて、長襦袢の代わりとして用いる。2部式の襦袢のようなもの。

・半幅帯[はんはばおび]
女帯の一つ。14〜15cm位の幅。帯揚げ・帯締めは使わず、普段着やゆかた用に用いることが多い。

・単衣[ひとえ]
着物の仕立て方の名称。裏をつけずに仕立てた着物をいう。⇔袷[あわせ] 一般に単衣というと、薄物以外の単衣仕立ての長着をさす。6月と9月に着用する。

・比翼仕立て[ひよくじたて]
留袖などの礼装に多く用いられる仕立て方で、下着(下襲ね(したがさね))の衿・裾・袖口・振りを部分的に作り、長着に縫いつけることで2枚重ねてきているように見せた仕立て方。『付け比翼』ともいう。

・広衿[ひろえり]
女物長着の衿型の一つ。3寸(11cm)の幅に仕立て、衿肩回りは半分、衿先に向けて幅を広げて着用する。衿幅の自由がきく。

・ふき、[衣編に比と書きます]
着物の部分名称。袷長着の裾や袖口が、裏が表より出た形に仕立てられている部分をさす。表地の汚れや傷みを防ぐためのものとされる。

・袋帯[ふくろおび]
女帯の一つ。丸帯に代わって礼装・盛装に用いられることが多く、振袖の変わり結びから、留袖・訪問着の二重太鼓まで、用いられる。しゃれ袋といわれる、趣味性の高いものもある。

・振袖[ふりそで]
未婚女性の第一礼装。袖丈によって、大振袖、中振袖、小振袖と分けられる。

・訪問着[ほうもんぎ]
肩・胸・袖から裾にかけて絵羽模様の描かれている着物。略礼装として着用する。

・本裁ち[ほんだち]
長着の裁ち方の一つ。着尺地一反を使って大人用の長着を仕立てる際の裁ち方。


ま行

・丸帯[まるおび]   

・身丈[みたけ]
身頃の長さのこと。衿付けから背縫いで測る場合と、肩から脇線を通して測るばあいとがある。

・身八つ口[みやつぐち]
着物の部分名称。女物や子供物の、長着・襦袢の身頃の脇のあいた部分をさす。


や行

・裄[ゆき]
着物の部分名称。背縫いの部分から、袖口までの長さをいう。首の後の付け根から、手首のくるぶしまでの長さ。

・湯通し[ゆどおし]
織りの着物の仕上げ工程の一つ。反物の状態で、湯の中に通すことで、糊などを取り、布地に光沢とやわらかさを与えるために行う。『糊抜き』ともいう。

・湯のし[ゆのし]
染めの着物の仕上げ工程の一つ。反物の状態で、蒸気の中にくぐらせることで、布地をやわらかくし、しわや縮みを伸ばし布幅を一定にそろえる。


ら行

・六通[ろくつう]
帯の柄付けの一つ。お太鼓部分と、胴前部分の見えるところのみ柄付けされている。帯の長さの6割に柄付け。



わ行

・和装小物[わそうこもの]
着物を着るために使用する小物。半衿・帯揚げ・帯締め・足袋・伊達締め・腰紐・帯板などが含まれる。