振袖の話

現在、成人式や結婚式などで着用される未婚女性の第一礼装とされ、最も華やかな着物といえるでしょう。

しかし、本来『振袖』といわれたものは、袖付けを短くし、脇(身八つ)をあけ、振りを作った着物のことすべてをあらわしていたようです。

 脇(身八つ)を開けるようになったのは、室町時代、体温が高めの子供のために、通気性をよくしようと、脇を開けた『脇明小袖』が始まりとされており、男女の区別がなく、18歳の元服で大人として認められるまで、着用されていました。元服後は、たもとを短く切り、振り身八つを縫いふさいで着用していました。

 江戸時代に入ると、流行や装飾的な面から、振袖はどんどん華やかになり、江戸時代初期では1尺5寸(57cm)、元禄(1688〜1716)では2尺2寸(83cm)、享保(1716〜1736)では2尺4寸5分(93cm)、宝暦(1751〜1764)では3尺(114cm)と、袖丈も徐々に長くなってきました。
普段は小袖、外出に中振袖、結婚式に大振袖を着用していたようです。

現在のように成人式に振袖を着るようになったのは、昭和40年代の高度経済成長の頃からのようです。
現在では、袖丈の長さによって、大振袖、中振袖、小振袖と分けられていますが、最近は、袖丈がふくらはぎくらいの中振袖が多く見られます。

また、大振袖に紋付、共裾重ねあるいは比翼仕立てになったものは、花嫁衣裳に見られる『本振袖』と言われるものです。

 『振袖』とは、長い袖が揺れ動くところから付けられているようですが、この『袖が揺れ動く』ということは、厄払いや清めの儀式にも通じ、袖を振ることで周りの人を清め、幸せを招くという意味があるそうです。
また、『魂よばい』という意味もあります。『魂よばい』とは、好きな男の魂を自分のほうに引き寄せるという意味もあるため、結婚したら、男の魂を引き寄せる必要がなくなるため、袖を切って着用しこれが現在の『留袖』となっているようです。